常念山脈(長野) 大天井岳(2922.1m)、東天井岳(2814m)、横通岳(2767.1m) 2021年8月21日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 1:13 駐車余地−−1:201 林道終点−−2:04 大滝−−2:44 笠原沢−−3:19 最終水場−−3:50 常念乗越−−5:21 東天井岳直下−−6:11 大天荘−−6:20 大天井岳 6:32−−6:41 大天荘−−7:20 東天井岳直下−−7:26 東天井岳 7:29−−7:33 縦走路−−7:51 2690m鞍部−−8:23 横通岳 8:29−−9:01 常念乗越−−9:22 最終水場−−9:51 笠原沢−−10:17 大滝−−10:45 水浴び 10:46−−10:47 林道終点−−10:53 駐車余地

場所長野県松本市/安曇野市/大町市
年月日2021年8月21日 日帰り
天候曇後雨時々止む(ガス) 下界は曇り
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場一ノ沢林道の駐車余地を利用
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント天気予報がモノによってそこそこいいもの、雨のものとバラ付いたが、気圧配置上は湿った南風が吹き込んであまりいい天気は期待できない状況で出発。夜中は星が見えて期待したが稜線に出る頃には槍穂はガスの中で途中から雨が降り出し、以降は時々雨が止む程度で雨具が必要な状態が続き、ずっとガスの中を歩いた。お盆休み翌週と言うこともあり駐車車両も少なかった。雨が降る前から登山道に流れ込む沢の水量が多く、劣化した登山口で歩いたら下山時は完全に水没状態だった




いつもの駐車余地は先客1台。本日の駐車台数は少ない 林道終点のトイレ。いつも照明が自動点灯
常念乗越。まだ雨は降っていなかった 金曜宿泊のテントが意外と多い(10張以上)
安曇野、松本の夜景 雨が降る直前の頚城山脈
朝5時前に雨が降り出した。悪い方の予報が的中 ハクサンフウロ
ウメバチソウ。たくさん咲いていた ミヤマウイキョウ
タカネヤハズハハコ チングルマの綿毛
ウサギギクもおしまい エゾシオガマ
イブキトラノオかムカゴトラノオ アオノツガザクラ
東天井岳南側の2770m鞍部 オンタデかなぁ
コマクサもほぼおしまい ミヤマコゴメグサは真っ盛り
葉っぱの形状からハクサンボウフウ タカネツメクサ
イワツメクサ 大天荘。テントが4,5張あった
キヤマキンバイ。花はもうおしまいで葉っぱだけ ミヤマアキノキリンソウ。今回最も多く見た花
タカネヨモギ。蕾のようだがこれが咲いた状態 僅かに残ったヨツバシオガマ
ミヤマホツツジ。たくさん見られた 大天井岳山頂。雨とガスで無人
トウヤクリンドウ 山頂から大天荘方面を見るがガスで見えず
ウラジロタデ 葉っぱの形状からシラネニンジン
大天荘 ミヤマトウキ。他の森林限界のセリ科よりがっしりしている
ミヤマダイコンソウの最後の咲き残り イワギキョウ。今回はキキョウはほとんど見られなかった
たぶんクモマスミレの葉 東天井岳南側の2770m鞍部
帰りは東天井岳へ向かう 東天井岳山頂。いつのまにか山頂標識があった
葉っぱの形状からシラネニンジン オヤマリンドウ
ヤマハハコ コケモモの実。まだ熟していなかった
帰りは横通岳へ。途中で単独男性とすれ違った 横通岳山頂。ここでもガスで視界無し
常念小屋方面へ下る 縦走路に出る前に雷鳥に遭遇。親子2羽
縦走路に出た ハクサンオミナエシ
常念小屋を見下ろす テント場は撤収中
常念乗越。この頃には雨は止んでいた ミヤマママコナ。見られたのは常念乗越だけ
一ノ沢へ下る。こちらは少し明るい ミヤマコウゾリナ
オヤマリンドウ オトギリソウ
ニガナだと思う。もうおしまい カニコウモリは真っ盛り
登山道の倒木。枯れて腐って倒れたようだ ツルリンドウか?と思ったがテングノコヅチが正解だった
最終水場 一ノ沢にかかる最上部の橋
今シーズン初めて見たハンゴンソウ アザミ。細かな種類は分からない
ミソガワソウ トリカブト(ミヤマトリカブトかな?)
ゴマナ。秋の花 シモツケソウはほとんどおしまい
ソバナ トモエシオガマ。これも秋の花
センジュガンビ キオン
胸突き八丁。無人は珍しい 沢に咲いていた花だが種類が分からない→アカバナと判明!
マルバダケブキ ? 分かりそうだがネットで調べてもなかなか出てこない
コンロンソウ。最後の咲き残り タデ科の仲間だと思うが種類不明
キオン ミヤマカラマツ。最後の咲き残り
オニシモツケ いつもは涸れている大きな沢に流れあり
ヤマホタルブクロ クサボタン(初めて見た花)。沢付近に咲いていた
ヨツバヒヨドリ 古池
山ノ神 花が大きいがキンミズヒキっぽい
最後の沢で水浴び。通常は涸れているのだが 林道終点
駐車余地


・先週から今週にかけて梅雨末期のような大雨が西日本を中心に続いているが、長野でも今週に入っても未だ影響が続いている。上空には寒気が居座り湿った南風が入るパターンで、下界の天気予報は曇りだが山の上はガスの可能性が高そうである。北アルプスの天気はネットでいくつか見ているが、今回は長時間の雨から曇りの予報で南の風がやや強そうだ。それでも雨が降らないとの予報の方が数が多いため北アに出かけることに。お盆休みは雨で出かけなかったので久しぶりに大天井岳を目指すことにした。

・大雨の影響で道路事情が心配だったのでネットで調べたら8月12日以降の一ノ沢からの常念岳の記録が皆無!(三股発はあった) まさか林道が崩れたかと安曇野市のHPを確認したら一ノ沢、三股とも通行可能となっていた。この時期に登頂記録が皆無と言うのは不気味だが、市の最新情報を信用して一ノ沢へ向かうことにした。もしダメだった場合は三股か扇沢へでも転進すればいいだろう。

・長野市内で続いている国道19号線の片側交互通行&時間通行止め規制で夕方は渋滞が予想されるため、今回は篠ノ井から山を越えて三水で国道19号線に抜ける迂回路を選択。国道の渋滞はうまくいけば10分程度で通過できるが夕方では下手をすれば渋滞で30分のロスがある。迂回路は道幅が狭くて速度は出ないが交通量は少ないし信号も無いので大きなタイムロスなく国道へ出た。国道の交通量は極端に少なく快調に走り、一ノ沢へはいつもと同じ所要時間で到着。今週の天候の影響だろうか、林道から見える駐車台数は少なく、いつも利用する最上部の駐車余地の先客は1台だけだった。到着時は雨が降り出していたが、これが夜中に止むといいのだが。

・大天井岳山頂到着は6時を目標として午前0時半に起床、飯を食って1時過ぎに出発。この時は雨は降っていなかったが雨の心配があるのでボロゴアだけではなく傘とロングスパッツも持った。でも靴は劣化して防水性能皆無に近いボロの登山靴(笑) まだ夏だし日帰りなので靴の中が多少濡れてもいいだろう。

・気温は夏場にしては低めだが明らかに湿気が多く快適とは言えないが、気温の低さが幸いして登りでもほとんど汗をかかずに済んだ。林道を歩いていると雲の隙間から星が見えるではないか! 思ったよりも天気は期待できそうで雨対策グッズを重点的に持ってきたことを悔やんだが、帰りに降られる可能性を考えれば無駄ではないだろう(結果的には雨グッズが大活躍した)。

・林道終点から登山道へ入ると、いつもは涸れている最初の沢でそれなりの水量が流れていた。今回は登山道上は水が多そうだ。しかし山ノ神前の水はそれほど多くはなかったので大丈夫かと思ったら、その後はあちこちで横から登山道に流れ込む水量が多く、今年歩いた中では最も水が多かった。梅雨の時期ではなく8月終わりにこの状況は記憶にない。おかげで登山道なのにあちこちで飛び石で渡渉するように歩く羽目になった。長靴の方が良かったかも(笑) 笠原沢を通過して一ノ沢本流を左岸から右岸へ渡る橋の右岸側は支流から流れ込む水で完全に水没状態で、長年このルートを歩いているが初めての光景だった。その先の右岸側の登山道は大半が沢と化していた。今週の雨はそれだけ多かったということだろう。

・胸突き八丁までもう少しと言うところで上に2つの光を発見。私より早く出発した登山者がいたのかと思ったら、光はこちら(下り)を向いたままで登りではなく下ってくる登山者であった。すれ違ったのは親子連れで、子供はまだ小学校くらいに見えた。時刻はまだ午前3時前であり、ただならぬ時間帯での下山でありびっくり。まあ、あちらもこんな時刻に登っているやつを見てびっくりしたとは思うが。

・今日は長丁場なので最終水場で水200ccを補給。曇って日差しが無ければこれで十分だろう。最終水場の水量はこの時期にしては多く、登山道に流れ出るほどだった。

・最終水場から常念乗越までのジグザグ道では倒木あり。最近は台風はこちらにやってきていないので倒木は珍しいが、よく見ると枯れた木だったので風で倒れたのではなく腐っって倒れたのだろう。小屋に近い位置であり、おそらく近いうちに処理されるだろう。

・もう少しで常念乗越というところまで登ると常念岳山頂を目指す登山者のライトの光が見えた。時刻は午前4時前で真夏ならそろそろ明るくなり始める時刻だが、この時期はまだ真っ暗である。

・常念乗越に出ると思ったよりは風は強くなく、これなら防寒装備は要らないであろう。まだ真っ暗だが槍穂の稜線のシルエットは全く見えていないので、あちらの稜線にはガスがかかっているようだ。まだここにはかかっていないが、どのくらいまで標高が上がるとガスの中に入るのだろうか。常念岳山頂方面は近過ぎてシルエットが見えないのでガスがかかっているかどうか分からなかった。

・テント場には意外とテントが多く、おそらく10張以上あっただろう。ここのところ日中は大気の状態が不安定で毎日のように雨が降っていると思うが、頑張ってテント泊とはご苦労様。また、駐車している車の数よりも入山者はずっと多いようだ。これは一ノ沢から往復ではなく三股から周回か縦走を意味している。

・常念乗越から久しぶりに大天井岳方面へ。少しの間はシラビソの低い樹林帯を上がっていき、すぐに森林限界に達してハイマツの中の道をジグザグに上がっていく。予報通り南寄りの風がやや強いが湿気が多く体感的な寒さはほぼ感じないので腕カバーだけ追加して歩いた。振り向けば安曇野や松本市街地の夜景が輝いていた。東の空は雲の隙間から僅かに赤く焼けた空が見えており、遠い東の方が天気がいいようだ。

・傾斜が緩んで運動密度が落ちると風の影響で寒さを感じるようになったので防寒装備を着ることにしたが、この頃にはまだライトの光が必要だが周囲は徐々に明るくなり始めており、常念岳方面を見ると霧がかかっているように白く見えた。あれは霧ではなく雨! どうもこちらに押し寄せてくるようなので、防寒も兼ねて今のうちにボロいゴアを上下とも着用。僅か後に雨が降り出したのでいい判断だった。この時点ではまだこちらの稜線にはガスがかからず、妙高、火打などの頚城山脈が見えていたが、すぐにこちらもガスの中に入ってしまった。風もあるので傘を盾のように横向きにして使用した。ボロゴアの保護の意味もあるが、ウェストポーチが濡れてデジカメのレンズが曇るのを防止する意味の方が大きい。

・2640m鞍部から東天井岳への登りの最初は登山道にハイマツがはみ出しており、雨で濡れてイヤらしい場所。私のゴアの雨具は経年劣化で防水性が低下しているので中身まで濡れてしまう。実はこれがあるので今回は大天井岳は避けようかとも考えていたほど。ここだけハイマツを刈ってくれると有り難いのだが。

・東天井岳南側の2770m鞍部東側はお花畑だが、この時期では大半の花はおしまいで寂しい限り。僅かに咲き残りがあるのはハクサンフウロ、ウサギギク、エゾシオガマ、ミヤマウイキョウ、アオノツガザクラくらいで、チングルマはすべて綿毛に変わっていた。多く見られるのはミヤマアキノキリンソウとウメバチソウ。どちらも秋の花だ。

・2770m鞍部を回り込むと中天井岳が見えるのだが完全にガスの中。雨は断続的に降り、雨のピークではかなりの強さ。昨夜の天気予報の最も悪い予報が当たったようで残念。今回は大天井岳での展望は期待できないので山頂ではちょっとの休憩で下山かな。

・大天荘に近付くと常念岳方面に向かう登山者とすれ違う。大天荘のテント場には数張のテントあり。こんな天気では小屋泊まりの方がいいだろうな。平日ならおそらく小屋の予約は余裕があるだろう。

・大天荘裏手の大天井岳へ。雨とガスの中でここを登るのは初めてだ。山頂は無人で視界なし。風を避けられる北東側に座り、傘で雨を防御しながら軽い朝飯。こんな時にも傘は大いに役立つ。夜中0時過ぎに食ってから約6時間動いているのでさすがに腹が減った。

・飯を食い終わってすぐに下山開始。5時間歩き続けて休憩が約10分であったが、雨の中をじっと休憩するのはつらい。入れ替わりに山頂へと登ってくる人が数名いたが、雨で写真を撮影するのも苦労しそうだ。大天荘前も撤収中のテント泊の人以外にはほとんど姿なし。これから燕岳方面へと向かう人を見たくらいか。燕岳もガスの中かな。

・天気は悪いが帰りはせっかくなので東天井岳、横通岳に立ち寄ることに。東天井岳は真新しい手製の山頂標識がケルンの上に置かれていた。横通岳は縦走路から外れて踏跡を登っていると入れ違いに降りてくる男性の姿あり。この天気でこちらに立ち寄るとは私並みの変わった人なのだろう。山頂に到着してケルンの影で最後の飯としてパンをかじった。大天井岳からここまで約2時間。ここから登山口まで3時間弱といったところかな。まだ雨は降っているがだいぶ弱まった感じがするが、風は相変わらずだ。

・横通岳から縦走路に下る間にライチョウ親子に遭遇。母親+子供1羽だった。ライチョウの雛は生まれたときは1羽ということはなく5,6羽くらいいたはずで、夏の間にこれだけ減ってしまったことになる。しかし今生き残っているからと言って今年の冬を越せるかは分からない。ライチョウの写真を撮影しようにも雨とガスで液晶のどこにライチョウがいるのか分からずかなり苦労した。帰ってから確認したら写真の真ん中からずれてはいたが、どうにか写真の隅に収まっていてくれた。

・縦走路に出てジグザグの下りではハクサンオミナエシが咲いていた。ハクサンオミナエシがまだ咲いていたのはここだけ。短い樹林帯を通過して常念乗越付近の森林限界エリアに入る頃にはガスの層を抜けて雨が止んだ。常念乗越はガスの層より下で見通しがあるのは気持ち的に明るくなる要素だが、僅か上には雲の層が蓋のように広がっているので展望は無く、槍の姿は全く見えない。それでも一ノ沢方面からポツリポツリとと登山者が上がってくる。この先は雨の心配はないし、山が風をブロックしてくれるので雨具を脱いだ。

・一ノ沢へと下り始めると通常の週末よりかなり少ないが、それでも登りの人とすれ違う。登山口までに合計で2,30人くらいだっただろうか。多い時には優に100人を超えるので少なさが分かる。まあこの天気だから仕方ないだろう。それでもテント泊と思われる大ザックの人もそれなりに見られた。寒気の影響でこれから天気は下り坂だし、明日も今日と同じような天気のはずで、テント泊はちと厳しいだろう。私の年齢ではもうそんな気力はない。

・最終水場から上の各ベンチでは数人が休憩中。最終水場付近でも数人が沢の近くで休憩中。私はいつも休憩無しで登っているが、このような適度な場所で休憩をとりつつ登るのが普通の姿だろう。そう言えば今回は大パーティーの姿は無かった。

・下りではガス(雲海)の下であったため林道に出るまでずっと曇りで日差しが無かったため、日中でもあまり気温が上がらずに大汗をかかずに済んだので、林道に出る直前の沢で軽く汗をぬぐった程度でさっぱりできた。もうすぐ8月も終わるのでクソ暑い時期も終わって徐々に涼しくなってくれるだろう。早いこと藪山に登れるくらいまで気温が下がってくれるといいのだが。

・林道終点には2台のタクシーあり。予約した下山客を待っているのだろう。下山中は何人か追い越してきたので、その中に含まれているかも。林道では上空に雲は多いものの日差しもあって稜線の雨とガス、風が嘘のようだ。下界ではほとんど風は感じられなかった。駐車余地に下ると私の車を含めて3台。これは通常の週末としては少ない。車を運転しながら各駐車スペースをチェックしたが、やはり車の数は通常の週末よりかなり少なかった。

 

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